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【年末編】受け継がれているもの

年の瀬も大詰め、♫もういくつ寝るとお正月~♫が聞こえてきそうになりました。子どもの頃は大人たちが大掃除やらお節のことやら、ワサワサしていて、何もしていないのにワクワクしたりしていました。大人になった今、年末年始について、少し調べてみました。一緒に覗いてみましょう。

年末、文字通りその年の末です。1年の総ざらえをして、新しい年を迎える準備を行います。大掃除、年賀状の準備、お世話になった方へのご挨拶、お節やお正月にいただくご馳走の準備などでしょうか。皆さんは、どんなことが思いつきますか?

年末のしきたり

煤払い(すすはらい)

江戸時代、12月中旬に「年取りの始め」や「正月事始め」といって、お正月の準備をスタートしました。この日辺りを目安として門松用の松を山から切り出して来たり、大掃除を始めたようです。 どんなに忙しくても、神棚や仏様の「煤払い」だけは必ず行われていたようです。最近は、クリスマス行事が過ぎてからが多いかもしれないですね。

柚子湯(ゆずゆ)・冬至かぼちゃ

12月23日頃、太陽が一番南に来て低い位置になる為、一年の中で昼の長さが最も短くなり、夜が長くなります。この頃から本格的に厳しい冬がスタートしますが、日差しはこの日をさかいに『畳の目一目ずつ』『米粒一粒ずつ』長くなっていきます。
農作物だけでなく人や動物達に暖かい太陽はとてもうれしい事です。冬至の日には『神聖な旅人が訪ねてくる』という言い伝えのある地域もあるようです。この頃は『かぼちゃ』や『こんにゃく』を食べたり、お風呂にゆずを浮かべて『ゆず湯』を楽しんだりします。 昔は冬の野菜不足を補うものとして保存が利き、カロチンの豊富に含まれている夏野菜の『かぼちゃ』はとても貴重な栄養源だったようです。『冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない』と言われるのもこのような理由からですね。また、『ゆず』にはビタミンCの他にリモネンという成分が含まれているので、お肌もすべすべになるだけでなく新陳代謝を活発にするので、体が温まり風邪も引きにくくなるのです。

寒い冬でも元気に過ごすための先人の知恵がつまった行事です。

年越しそば

大晦日にいただく年越しそばの由来は、「健康長寿」や「一年の災厄を断ち切る」といった願いが、込められています。食べ方は、かけでもざる、どちらでもOK。ただ、年を越えて食べると、災厄を新年に持ち越すことになるそうなので、年を越さない前に食べてしまいましょう。

年賀状

書く人が少なくなっていると聞くと少し残念な気がする年賀状。めったにお会いできない方たちへのご挨拶のつもりで年に一度思い返しても良いですね。元日に配達してもらうためには、12月25日までに投函しするのが宜しいようです。もし投函が12月25日を過ぎた場合でも、松の内に届けば失礼にはあたりません。それ以降に届くような場合は、年賀状でなく「寒中見舞い」として出します。
もうひとつ、「喪中」のハガキのやり取りにも気をつけたい点があります。喪中にもかかわらず年賀状が届いた場合は、まず年賀状に対するお礼と、喪中であったことを伝える返信を送るのが礼儀です。その後、松の内が明けてから、寒中見舞いを送ります。
逆に、喪中と知らずに年賀状を送付してしまった場合は、気づいたらすぐにお詫びの連絡を入れるとよいでしょう。松の内が明けた後、寒中見舞いなどでお悔やみを兼ねた書面を贈ります。面倒だと思うところもありますが、相手を気遣うことを優先できればと思います。

餅つき

最近はあまりみかけなくなった行事の一つ。幼稚園やスポーツクラブなどの集まりのあるところでは年末イベントの一つとして、杵やうすを使って、ペッたんぺったんとついているところもあると思います。子どもの頃は近所の玄関先でもち米を蒸すところから始めて、餅つきをしているのを子ども達や近所の大人たちも集まって、つきたてのお餅をいただいたりしました。懐かしいです。この餅つき大体28日くらいに行われるようです。お正月飾りの鏡餅を作るためということです。

孫と学ぶ生活のしきたり

引用: メモリアートの大野屋

お正月を迎える準備

旅行に出かけるなど、自宅ではないところでお正月を過ごす方も多いかもしれませんね。それでも日本人としては節目のお正月は大事にしたいものですね。お母さんから聞いた、おばあちゃまから聞いたことありますか?

1. しめ縄・しめ飾り


大体12月13日頃から12月28日までに飾るとされています。これは年神様をお迎えするためです。年末ぎりぎりになると「一夜飾り」と呼ばれ、縁起のよくないものとされています。神聖な領域とこの世の俗な領域を隔てる結界を示すのが、しめ縄です。しめ飾りは、しめ縄に飾りを付けたものとなります。外すのは松の内の最終日(1月7日頃)です。どんど焼きや左義長と呼ばれるお焚き上げに持って行き、処分します。

2.鏡餅

神様の居場所となるのが「鏡餅」です。だから、銅鏡のように丸く作られているのですね。
年神様は、新しい年に豊かな実り(幸福)をもたらしてくれると共に「魂(生きる力)」を分けてくださると考えられています。年神様の「魂」が宿った鏡餅の餅玉をお雑煮などで食べることで「生きる力」を分けてもらうという意味合いもあるそうです。
その年の魂(=餅玉)を家長が家族に分け与えた「御年魂」「御年玉」というのが、お年玉のルーツです。現在はお金に変わってしまいましたが、鏡餅をお雑煮やぜんざいにして食べるのは、その名残だそうです。

3.門松

家の門の前などに飾る門松。松飾りとも呼ばれ、正月にやってくる年神様の依り代(神霊が寄りつくもの)の役目をします。古来神聖な木と考えられてきた常緑樹の松には、神様を「祀る(まつる)」や「待つ(まつ)」という意味があるとも言われています。竹と一緒に飾ることの多い門松は、左右の飾りが一対になっていて、外から見て左に雄松(黒松)、右に雌松(赤松)を飾ります。

門松はつまみ細工で作ったものをリビングに飾っているものです

番外編:羽子板・破魔矢

赤ん坊が産まれて初めて迎えるお正月には、子どもが丈夫に育つように願い、羽子板や破魔弓を飾る風習があります。羽子板の羽の先にある黒い玉は「無患児(むくろじ)」という木の種で、子供が病気を患わずに健やかに育ちますようにという願いから来ています。破魔弓は、魔よけと厄払いの意味が込められています。飾った羽子板・破魔弓は、正月飾りと共に片付けてもいいですし、縁起物なので通年飾って良いようです。

年末年始こそ温故知新のチャンス!

年末年始は自分が日本人であること・日本にいることをそれ以外の時よりも強く感じるのではないでしょうか?普段は気にしない着物のことや神社仏閣のこと、年賀状に自分の手でかな漢字を書いたり、といったことがありますよね。毎日、効率化や簡素化を目指して頑張っている今だからこそ、この時ばかりは逆にゆったりと一つのことに時間をかけるというのも良いのではないでしょうか。そこから新しく発見できる身近なものがあるやもしれません。お掃除にしても、お飾りものの準備にしてもそれぞれに意味があり、昔から綿々と続いています。今年は少しそんな意味も考えながら、年末を過ごしてみませんか。上記門松はつまみ細工で作ったものをリビングに飾っているものです。自宅に門がなくてもこれなら年神様の目印に多少はなるかなと思っています。

和のことについて、皆でお話しできると楽しい時間が増えそうです。このサイトでは、そういった和の暮らしや季節のこと、行事のお話しを皆さんと共有したいと考えています。

実有己さんのつまつま日記

年末になると来年のことを考え始めます。今年から始めた手帳やノートがあります。今まではほぼスケジュールのことだけを書いておりました。なので、空白の部分が大半でした。そりゃそうですよね。そんなにスケジュールが詰まるようなことをやっていないのですから。ある友人からの話で、手帳やノートを未来の自分を引き寄せるために使うと思った未来に向かっていけると知りました。まだまだ、使い始めたばかりのヨチヨチなので、使いこなすところまでにはもう少しかかりそうです。それでも、自分の理想体重まで後少しというところまでになったり、間に合わないかもと思っていた日本刺繍をギリギリで完成できたり、つまみ細工教室を恵比寿で開講できたりと今年は引き寄せることができたものが多かったです。皆さんは来年の手帳、もう準備されましたか?そんなお話しもできると良いなと思っています。

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着物、茶道、和小物を暮らしに取り入れると良いコトが起こりそう。 噛めば噛むほど味が出る小さな幸せを感じられそうな気になります。
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