お味噌汁のもう一つの呼び名ご存じですか?『御御御付』(おみおつけ)です。室町時代の女房言葉(宮中に使えていた女房たちが使っていた言葉)から生まれたようです。頭に「御」が3つ付くのかは、様々な説があるようです。おみおつけ以外にもおもちゃやおつむ、おから、おでんも女房言葉から来ているようです。それが現代でも一般的に使用されているのは面白いですよね。
寒仕込みの味噌が美味しい理由
この言い回しはお醤油やお味噌、日本酒などを「寒」と呼ばれる時期に仕込む事を指します。食品を発酵させて作るので雑菌が混入しにくい事、発酵に時間がかける事でゆっくりと熟成させる事ができるというメリットがあります。
今では「寒仕込み」と一般的に使う言葉ですが、日本酒製造で使っていた「寒造り」という言葉が語源になっているようです。
その1.とれたての米と大豆を使う
味噌は、大豆と麹と水から作られています。秋は、米や大豆の収穫時期ですよね。その為、とれたての米(麹)と大豆を使うことで味噌がより一層おいしく仕上がるんですね。当たり前のようですが、美味しいモノは、使う材料によって本当に違ってきます。やはり、おいしい味噌はおいしい材料から出来上がるんですね。
今年はいいもの見つけたので、これでお味噌の仕込みをしました。大豆を蒸して潰すところまで行って頂いた商品で、分量きっちり図っていただいた米麹がセットになってます。
その2:低い気温でゆっくり醗酵させる
お味噌は、発酵にゆっくり時間をかけると、よりおいしく仕上がります。発酵が暑い時期にあたると気温が高いために急激に醗酵が進んでしまいます。急加速・急ブレーキが良くないように、最初はゆっくり緩やかに始まるのが良いようです。時間がかかる手作り味噌が美味しくなるのはこういった理由もありますね。
潰した大豆と麹と水をしっかり混ぜたら、小さな玉を作って専用の袋に詰めて行きます。空気を押し出すのがポイントのようです。これがなかなか難しかったです。
その3:冬の寒い時期は雑菌が少ない
その昔は水にはいろいろな雑菌がいました。検査するなんてことはなかったでしょうから。特に夏の暑い時期だと雑菌が繁殖しやすくて、発酵させるにはあまりいい条件ではなかったでしょう。でも、寒くなる冬場だと、雑菌の繁殖が抑えられて、雑菌の少ない状態で味噌を仕込む事ができました。今でも、味噌を作る時は雑菌が少ない時期に行うのが多いですね。冬場に仕込むのは先人の知恵から生まれたものだったんですね。
マルカワみそから引用
お味噌は新鮮な材料を使って時間をかけて出来上がりまで約半年~10か月くらいは我慢我慢です。時間かかるなぁって思いますが、美味しいものが出来上がると思うとその時間すら愛おしくなります。先人の皆さんの知恵にも脱帽です。自分たちの身の回りにあるものを使って、全国色んなところで作られているんですよね。それも面白いなと思います。同じように、つまみ細工も元は自分たちの着物の端切れを使って作り始めたということ。小さいものならすぐ出来上がりますが、大ぶりなものや込み入ったものはやはり手間暇かかります。それも美しいと思うものや季節を感じるものを自分の指先と糊を使って仕上げていく。しかも季節問わずですが、想像するに糊を使うなら寒い時期が良かったのではないかと想像します。カビにくそうですから。味噌を仕込みながら、そんなことも考えていました。
すぐ、あっという間に、簡単にできることがドンドン増えていき、便利な世の中になってるなぁって思います。その反面、大事なことまであっという間に通り過ぎてしまうのは残念とも思います。そんな気持ちがあるからか、去年から茶道が気になり始めて、『利休百首』という千利休さんが遺した和歌(もちろん解説付き)を読み始めました。茶道のことについて書かれたものですが、今の私たちの暮らしについても、私が携わっているつまみ細工などの手仕事や所作、心構えについても通じるところがあるようです。いくつになっても分かっていないこと多めだなと感じているところです。ただ、分かっていないことを分かろうと思うのは伸びしろがあるってこと・・・のはず。
和を暮らしに取入て、毎日を丁寧に優しい気持ちで過ごしていきたいですね。丁寧な和暮らしでは上質な暮らしを引き寄せる、そんなお話を皆さんとしたいと考えています。
ブローチ
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9月12日(木)★リアル(横浜)
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10月10日(木)★リアル(横浜)
- 午前10時30分~午後12時
11月14日(木)★リアル(横浜)
- 午前10時30分~午後12時
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